2011 年 6 月 28 日 

燃焼モード切替エンジン(その2)

前回(2011.6.15ブログ)の続きです。

前回、
 ・ジェットエンジンは、おおよそ高度15km~20kmぐらいまでしか使えない。その先はロケットで。
 ・高度100kmへ到達するには、高度50kmぐらいまでに加速して、その先は惰性(勢い)で。
と書きました。

つまり、「高度50kmまでをどう飛ぶか?(どう加速するか?)」が、大きなポイントです。

方式として、大きくは
 A) 途中までは空気があるから、途中まではジェットエンジンを使う。(その先は、ロケットエンジンを使う)
 B) 最初からロケットエンジンを使う。
の2通りが考えられています。

A)の方式でも、それぞれのエンジンをどのように搭載するかで、2通りのタイプに分かれます。
 A)-1 機体が1つ :
  1つの機体にジェットエンジンとロケットエンジンを両方を搭載
   —> ロケットプレーンキスラー社/ロケットプレーンXP、EADSアストリウム社/TBN
 A)-2 機体が2つ :
  ジェット機とロケットを別々の機体に搭載し、途中で分離
   —> TSC社/スペースシップツー(母機ホワイトナイトツー)

【ジェットエンジンとロケットエンジン併用方式】

XP

SS2
 
機体が1つ
(ロケットプレーンXPなど)
Image credit : Rocketplane Global, Inc
機体が2つ(分離)
(スペースシップツーなど)
Image credit : TSC
 

一方、B)の方式も、戻ってくる方法に違いがあり、いくつかのタイプが検討されています。
 B)-1 ロケットで行って、帰りはカプセル(パラシュート)
  —> カナディアンアロー社/カナディアンアロー
 B)-2 ロケットで行って、帰りもロケット
  —> ブルーオリジン社/ニューシェパード
 B)-3 ロケットで行って、帰りは滑空
  —> XCOR社/リンクスMkII

【ロケットエンジン単独方式】

CA

NS

NS
カプセルタイプ
(カナディアンアローなど)
Image credit : CANDIAN ARROW
ロケット着陸タイプ
(ニューシェパード)
Image credit : Blue Origin
滑空タイプ
(リンクスMkIIなど)
Image credit : XCOR

それぞれの利点、欠点を纏めると、次のような感じでしょうか。

方式 利点 欠点
途中まではジェットエンジンを、
その先はとロケットエンジン使う
(両方使う)
水平に離着陸が出来る(滑走路を利用可)
落下物がない
途中までの酸素は空気中から取り込める(軽量化)
ジェットとロケットの2種類のエンジンを管理しなければならない
(システムが複雑化、補用部品や整備員などのコスト増加)
翼を持つため、機体重量が増加する
ロケットのみを使う エンジンが1種なのでシステムが簡素 重い酸素を積まなければならない
垂直状態での離着陸の場合、射場が必要
多段式の場合、落下物が発生する(海上封鎖が必要)

さらに細かく考えると…

方式 利点 欠点
1つの機体で 維持コストが少なくて済む 使わないジェットエンジンや脚などの重量物を目標高度まで運ばなければならない。(重量増⇒燃料増の悪循環)
2つの機体で(空中で分離) 役割分担が出来るため、機能効率が良い
最軽量の状態で着陸できる
2種類のシステムが必要(パイロット、整備機材、整備スタッフなども2種必要 ⇒ 維持コストがかかる)
カプセルで帰ってくる パラシュートのみで余分なものが要らない(燃料、様々な装置が省けて簡素) 降りたい場所に降りられない。(おおよその位置を狙って、海に着水)
ロケット本体は、落下させて捨てなければならない(落下場所の安全確保が必要)
ロケットのまま帰ってくる 降りたい場所に降りられる
ロケット全体を再利用できる
ロケット噴射で落下速度を制御しなくてはならないため、高度な制御技術と、大量の燃料が必要(重量が増加する)
滑空で帰ってくる 速度(揚力)を利用できる
ある程度降りる場所を決められる
翼を目標高度まで持っていかなければならない(重量、抵抗が増加する)
上空待機は出来ない

使用するエンジンや、機体の特性が各々異なるので、「どの方式が一番良いか?」は、簡単には決められません。各社、それぞれの考え方の下、「この方式が一番」と思うやり方で開発を行っています。
(いろいろな考え方、やり方があっていいと思います)

あなたなら、どの方式で飛びたいですか?

さて、いよいよ、次回は弊社のコンセプト(燃焼モード切替)を説明したいと思います。

コメント大歓迎

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